一昔前までは、「おいしさ」の基準がなかったので、いいものも、悪いものも全て、一括りでした。「なんとなくおいしい」そんな時代でした。コーヒーの美味しさが「わからない」とおっしゃる方は、正直な方だと思います。何がおいしいのかわからないけど、みんながおいしいといっているから「きっとおいしい」んだろう。 コーヒーのおいしさというのはそういうものでした。あるとき、スペシャルティコーヒーと呼ばれる、コーヒーを飲みました。
このコーヒーは、今まで飲んでいたコーヒーとは何かが違う。コーヒーってこんなにいろいろな味や香りがする物だったんだ、と概念が変わってしまいました。おいしいって?
スペシャルティコーヒー
先述したように、コーヒーには基準がありませんでした。しかし、Speciality Coffee Association や、カップオブエクセレンス という団体がコーヒー豆を評価する基準を作りました。 コーヒーは嗜好品であるため、明確な基準に当てはめることは難しいです。 ですが、世界で使われる共通の基準ができたため、漠然と「おいしい」というしかなかったコーヒーに、評価を決められるようになったのです。
そして、これらの基準で高評価を得るコーヒーをスペシャルティコーヒーと呼びます。
スペシャルティコーヒーは、ただ、味だけを評価するのではなく、生産、精製、流通といった工程のトレーサビリティーも含めて評価されます。 また、カッピング(味見)のときの、焙煎度合い、水、カップなども評価に含まれます。
スペシャルティコーヒーは、基準が定まっているため、難しいものでもあります。きっと、コーヒー好きな人には、この難しさというのも響くと思います。スペシャルティコーヒーを飲める場所を増やし、ただコーヒーに詳しい人のためのコーヒーではなく、みんなのためのコーヒーにしたいと願っています。
いつも飲むコーヒーが、風味豊かなスペシャルティコーヒーとなり、毎日の生活に”小さな幸せ”が増えるといいな。 そんな思いで、コーヒーを焙煎しています。